ちょっとわかると結構楽しい!?日本刀鑑賞の楽しみ方

こんにちは。歴史大好きバイカーkickです。今日は日本刀の鑑賞のしかたと楽しみ方についての記事です。
たまに美術館でみたり、ネットの画像で見てみたりする機会のあった日本刀。
「日本刀ってかっこいいなー」とか、「すごい昔にできたものが今も残っているってのはすごいなー」「きれいだなー」
くらいしか思わなかった日本刀。でも最近、もっと日本刀について知りたいなと思って、ちょっと調べてみました。自分で興味を持って、調べてみたことを発信しようと思います。興味のある方はどうぞ。タイトルの通り、ちょっとわかるだけでも結構面白いですよ!!
現代の日本刀と五箇伝
現代での日本刀とは、昔のように道具・装備というものではなく、
美術品として姿や刃文・彫り物の美しさを楽しむものです。
日本刀には歴史区分があり、特徴としては
古刀期・・・~1595年位。軽く出来ていて、伝法を堅実に、守った作りをしている。茎(なかご)に化粧鑢(けしょうやすり)が施されていなくて、サビも多くついている。刃文に様々な模様ができる。
新刀期・・・1596~1763位。刀身の反りが浅く、重量感がある。姿は直刃で「帽子」が乱れこまない。二字銘の物が少なく、長銘が刻まれているものが多い。受領銘と言われる武家や神職などのひこうしきな官僚銘が付くものが多い。
新々刀期・・・1764~1876位。頑丈な硬い刃となっているものが多い。
古刀期の上位作品の写しを行っているものが多い。新刀期には見られることのなかった短い短刀が多い。
五箇伝とは??
五箇伝とは、日本刀の歴史上で大きな影響を与え、多くの優れた作品を残した
5つの地域の流派のこと。
大和伝(大和の国) | 現在の奈良県で、五箇伝の中で最も古い流派。社寺との関係が深く、作風は直刃調で質朴。 |
山城伝(山城の国) | 現在の京都府。京都を中心に栄えた流派で、細身の優美な太刀姿と地鉄の美しさに特徴がある。朝廷に仕える貴族や天皇の需要に応えて制作されたものが多い。平安時代後期~鎌倉時代末期にかけて隆盛した。 |
備前伝(備前の国) |
現在の岡山県。最大の日本刀生産地。鎌倉時代前期の福岡一文字派吉房・鎌倉時代中期の長船派長光が有名な刀工で、華やかな丁子乱れ(ちょうじみだれ)という刃文を焼く。 |
相州伝(相模の国) | 現在の神奈川県。鎌倉時代に鎌倉を中心として数々の名刀を生み出す。相州伝を確立した正宗は、日本刀史上最も高名な刀工だが、具体的な生没年は不明で、様々な逸話・伝説が残されている。 |
美濃伝(美濃の国) | 現在の岐阜県。五箇伝の中で最も新しい流派。切れ味と堅牢さの実用本位を追求。地鉄には白け映り(しらけうつり)がたち、刃文には尖り刃が混じった鋭利な印象である。 |
日本刀の種類
日本刀とは、日本古来の製法によって作られた玉鋼(良質な鉄)を原料とした刀剣類で、形や大きさにより8種類の分類がある。
①直刀 古墳時代~奈良時代に作られた形状が真っ直ぐか、わずかに内反りで、反り返りがほとんどないもの。
②太刀 平安時代後期~室町時代初期に作られたもので、刃を下向きにして、腰に吊るして用いられる。一般的に鎬があり、反りのある日本刀のことを言う。
美術館や博物館で刃の部分を下に展示されているものが、太刀です。
③打刀(うちがたな) 室町時代中期~江戸時代末期に作られていて、目標物を断ち切ったり、刺したり突いたりするためのものとして作られた。太刀よりも少し短く、太刀とは逆に刃を上にして腰に差して用いられる。
④脇差(わきざし) 江戸時代の武家諸法度により、武士は大・小の日本刀を装備することが定められたため需要が増大。刃長が30cm~60cmくらいのものを脇差という。
⑤短刀 長さが30cm以下の物、鍔が付いていないのが特徴。
所持の方法により懐刀(ふところがたな)や腰刀(こしがたな)と呼ばれる。
「ドス」は粗製な短刀の隠語である。
⑥剣 刀身の両面が刃となっていて反りはなく、長い刃の刀のこと。
⑦薙刀(なぎなた) 薙刀は相手を薙ぎ払うために使われていた。長い柄の先に刀身があり、反りが付いているものや両刃のものもある。
⑧槍 日本最古の狩猟道具。長い柄の先端に剣の形状をした刃をはめこみ刺し・突きするために作られたもの。
日本刀の楽しみ方
日本刀を鑑賞するときに、初心者はまず鞘(さや)や鍔(つば)に注目してしまいがちです。
確かに大名が将軍家に献上した拵え(こしらえ)などは葵の御紋が様々に散りばめられていたり、装飾が豪華な物があったりなどで、目を引きます。
しかし、刀身そのものの美術性に注目してみてください。
まずは刃文(はもん)の形をじっくりと観察してみて。例えば松の幹のような「松皮肌」などは地鉄の模様を見れば折り返し鍛錬した跡がわかります。
江戸時代以前は作刀された地域ごとに独自の色が出ていました。
刀の形にはそれぞれに意味があります。それが公家文化なのか武家文化なのか、当時の戦術によっても形が変わるし、時代背景によって切っ先が大小するし、刀の形は変化してきました。
日本刀の世界は独得な言葉が多くて最初でとまどい、つまずいてしまうことが多いのですが、基本的な言葉を覚えて、理解すれば見ていて楽しく感じるし、世界が広がりますよ。
また、日本刀鑑賞の楽しみ方は、
・姿でその作品がいつ頃作られたものなのかがわかり、
・地鉄で国や流派がわかり、
・刃文で作者など、時代を追いかけるように個人を絞っていけるところです。
日本刀の鑑賞ポイント
反り・幅・厚み
日本刀の反りは時代によって大きく変わります。時代が古ければ古いほど
反りが大きくて、太刀とよばれます。
南北朝時代を境に反りが浅く変化して、打刀と呼ばれるようになりました。
反りの変化は美意識というよりもその時代の戦法による影響が大きくでています。
たとえば平安時代は個人対個人の戦闘であり、相手の甲冑ごと断ち切る直刀から、厚みと反りのある太刀へと変化したが、
その後の元寇の集団戦を経験したことにより、今度は太刀型よりも刺突に適した反り方へと変化しています。
刃文(互の目(ぐのめ)・丁字(ちょうじ))
刃文は土置きによりその形が決まる。
直刃・互の目・丁字に分類される。
さらに細かく見ていくと、各匠独特の形状がある。
たとえば関の孫六の三本杉など。この刃文は流派に伝統的に受け継がれている刃文で、作者鑑定の重要なポイントとなる。
さらに刃文を細かく見ていると、沸でき(にえでき)・匂でき(においでき)という2つのポイントがある。
これは刃文部分の粒子の見かけ上の荒さを表現する、日本独特の呼び方です。
沸でき・・刃文部分の地の粒子が荒く、肉眼ではっきりととらえられるもの。
匂でき・・刃文部分の組織の見かけ上の粒子が沸できよりも細かいもののことを言う。
これらはどちらが優れているとかいうことではなく、刀匠の特徴を示す重要な要素です。
足(あし)
焼き入れの際の土置きによって足と呼ばれる刃文の縁辺から刃先に向かってほぼ
直角に入る線上の焼き入れ痕がある。
これも刀匠を特定する重要なポイントとなる。
ただし、これらの沸・匂・足などは白熱電球に透かして見て初めて特徴のわかるような、かすかな特徴です。
切先(きっさき)
切先は戦法の変化に従って大きく形を変化させてきました。
日本刀の歴史の中では南北朝・桃山時代・江戸初期・現代というように、大帽子と呼ばれる大きな切先が好まれた時代が何回か出ている。
切先は刀の美術性を決める重要点でもある。また、この部分は長辺の刃の部分とは違った磨き方をして、姿を締めています
鎬筋(しのぎすじ)
刃と棟の中間に貫いている境界線。横手から茎の最大部までの稜が高くなっている箇所のこと。
鎬地(しのぎじ)
鎬筋と棟に囲まれた部分。ここに表れる肌目も流派や時代を推測する手掛かりの一つとなる。大きく分類すると、古刀期には木材の「板目」新刀期には木材の「柾目」の傾向がある。
平地(ひらじ)
鎬筋と刃先、そして横手に囲まれた部分。日本刀鑑賞の際は、ここに表れる地鉄(じがね)に注目する。地鉄とは、刀身の鍛錬によって生じた肌模様のこと。
茎尻(なかごじり)
茎の最下端のこと。剣先のように尖った「剣形」や、栗の尻のように丸い「栗尻」など、色んな形状がある。時代や刀匠により異なる特色が出る箇所
鑢目(やすりめ)
刀身が柄から脱落しにくくするように施された滑り止め。
時代が進むにつれて美観を意識した「化粧鑢」が見られるようになった。
左利きの刀匠がかける」逆鑢など、作り手の細かい癖がわかるポイントとなっている。
銘(めい)
日本刀の作者名や制作年を彫り込んだ文字列のこと。
鏨(たがね)を打ち込んだ跡や、銘の底に発生したサビなどが鑑賞のポイントとなる。
目釘穴
柄に「目釘」で茎を固定するために打たれた穴のこと。
時代の移り変わりによる拵え(こしらえ)の変化や磨上げ(すりあげ)によって開けなおされた場合があったり、穴が複数個になっているものがあったり。
連続した2つの穴がひょうたん型だったり、目釘の脱落防止のため、鍵穴型だったりと、形状は様々でバラエティに富んでいる。
まとめ
日本刀についてもっと知りたいと思い、鑑賞のポイントや日本刀の歴史などを調べてみたが、日本独特の呼び方や読み方があって多少難しいかなと感じた。
でも日本刀の各部分・場所の名前を憶えてみるだけで、その日本刀の解説が何処のことを言っているのかがわかり、なかなか面白いものです。
そしてちょっと日本刀のことがわかると、今度は実際に名刀を見に行きたくなる・・。まあ、自然なことだと思います。というわけで、今度実際に見に行ってみよう!となりました。(自分の中で。別に誰かと一緒に行こうとか話したわけじゃないです。基本ぼっちなんで。)
またその報告は記事でアップします。それでは、また。
引用元 西郷派大東流合気武術